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副鼻腔炎(ふくびくうえん)
副鼻腔とは?
顔の骨の中には、副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれる空気のほらあながいくつもあります、これらのほらあなは、ハナの中(鼻腔)とつながっています。これはいろんな動物にもみられるもので、ハナの中が乾いたりしないように、温度や湿度の調整をする役目を持っています。
副鼻腔には、顔のハナの横の部分にある「上顎洞(じょうがくどう)」、眉毛の奥あたりにある「前頭洞(ぜんとうどう)」、両目の間の奥の方にあるハチの巣状の「篩骨洞(しこつどう)」そして、ハナのずっと奥の方にある「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」の4種類があります。
副鼻腔の中は、ハナの中と同じく粘膜におおわれていて、副鼻腔と鼻腔(ハナの中)はつながっていて空気の交換がされるようになっています。
普段、呼吸はハナでしています。鼻炎や副鼻腔炎で、ハナが悪くなったら呼吸に影響があります。
副鼻腔炎とはどんなもの?
ひどい風邪を引くと、ハナから副鼻腔に病原体(ばい菌)がはいって、炎症が起こることがあります。また、こどもでは粘膜が弱いなどで副鼻腔炎にかかりやすい時期になりますので、よくみられる病気です。
副鼻腔にばい菌が入り、急性の炎症を起こすところから病気が始まります。たいていは早く治療すれば1か月くらいで治ってしまいますが、治らないままずっと副鼻腔炎をおこしていると、粘膜が変化して、ずっとウミが作られている状態になり、そのウミが「ハナみず」としていつもハナの中に流れてくるようになります。また、副鼻腔の出口(ハナの中とつながっているところ)の粘膜が腫れたり、粘膜が病的に増えて「ポリープ」をつくったりして副鼻腔への空気の通りが悪くなります。ときには大きな「ポリープ」がハナの中に飛び出してきて「はなたけ」と呼ばれる状態になっていることがあります。こういう状態がつづいていると、慢性の副鼻腔炎になってしまうと言うことになります。
副鼻腔は顔の骨の中にありますので、膿がたまってくると顔や頭が痛くなってきて、頭痛をおこします。これもなかなかうっとうしい症状です。ハナの粘膜も腫れてハナでの呼吸が十分に出来ず、ハナがつまった状態になってしまいます。
また、ハナみずがいつもハナからノドにおりているので、ノドが気持ち悪くなったりはれたりするとともに、気管の方へ入ってセキやタンに悩まされることがしばしばあります。気管支炎で治療している人の中に、副鼻腔炎はよく見られます。また、滲出性中耳炎と言う中耳炎を悪化させることがよくあります。
こんな時には副鼻腔炎を
- 粘っこいハナみずが続き、時には青いハナが出る。
- ハナがよくつまっている、いつも口をあけて息をしている。
- 「ハナ声」である。
- ノドがいがらっぽく、よくタンとセキがある。
- 気管支炎がなかなか治らない。
- アタマ(前頭部)やホホ(頬部)が重たく、痛くなる。
- 集中力がなく、ぼんやりしている。
- 耳の病気(滲出性中耳炎など)がなかなか治らない。繰り返す。
こういう症状があれば、近くの耳鼻咽喉科でみてもらいましょう
副鼻腔炎の治療と日常生活上の注意
副鼻腔炎の治療
副鼻腔炎の治療は、ハナの中の空気の通りをよくして、粘膜をきれいにし、ばい菌を抑えてウミをなくすということが目標です。そのため、ハナの中を掃除する、ハナの吸入(ネブライザー)をする。ばい菌を抑えたり粘膜をきれいにする薬を使うなどの治療がなされます。慢性の副鼻腔炎でなかなか治らないときは手術が考慮されます。よく主治医と相談して治療を受けましょう。
日常生活上の注意
- 風邪をひくと起こりやすくなるので、風邪を引かないように生活を整えましょう。
- タバコは悪影響を及ぼしますので控えるか禁煙しましょう。
- 適宜、ハナをかむようにしましょう。ハナは片方ずつかみましょう。ハナみずをノドの方へすする「ハナすすり」はハナの状態を悪くしますので、やめましょう。無理にハナをかんだり、「ハナすすり」を続けると、耳にも悪い影響を与えます。
- 水泳については、主治医とよく相談しましょう。
副鼻腔炎の治療は長期にわたることも多いので、治療を勝手にやめないで、主治医とよく相談して治療を続けましょう。