鼻出血
(原因)
鼻出血の原因は一般的には血管の異常や高血圧などがあります。かぜの時の急性鼻炎やアレルギー性鼻炎で鼻をかんだり、鼻をこすったりがきっかけで起こることが多いです。心筋梗塞、脳梗塞の治療や予防で抗凝固剤(血液がさらさらになる薬)を服用されている方は血液が止まりにくいため鼻出血を起こしやすいです。また、片側の鼻から慢性的に鼻出血がある場合は腫瘍が原因の可能性もあります。
(自宅での止血法)
鼻の入口から少し奥に毛細血管が集まるキーゼルバッハ部位という場所があり、ここからの出血が約7割を占めます(図1)。
図1一般的に出血部位が鼻の前の方であれば前方から、後ろの方の場合はのどから出てきます(のどから出血する場合はすぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう)。 前方からの出血であれば座位で頭を下げ(上を向くと固まりかけた血液がのどに流れて気道を閉塞することがあり危険です)、小鼻(鼻の軟らかい部分)を5分~10分間強くつまんで押さえるようにします。この時、呼吸は口でゆっくりします。これで止まらない場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
(耳鼻咽喉科での処置)
出血点が明らかで出血が止まっている場合は、鼻の処置のみのこともありますが、出血が続いている場合はまず、出血点を確認します(ファイバースコープや電子内視鏡を使って詳しくみる場合もあります)。 出血点がわかれば、高周波などで出血点を焼灼します。出血点がわからない場合や出血点がわかっても焼灼できない場所の場合はガーゼを鼻の中に数日間留置することがあります。かぜをひいている場合やアレルギー性鼻炎の症状がある場合は内服薬等を処方し、帰宅して戴きます。出血量が多い場合や、出血点がわからない場合は入院が必要な場合もあります。
(家に帰ってからの注意点)
血が止まった後は再度出血しないように、激しい運動、長時間の入浴、重いものをもったりしないよう、また鼻をさわらないように注意しましょう。血圧が高い方は血圧のコントロールが必要なため内科受診も必要です。