日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会・香川県耳鼻咽喉科医会:香川みみ・はな・のど便利帳

甲状腺疾患

 甲状腺とは首の下方に蝶ネクタイ状の形をした臓器です(図参照)。甲状腺ホルモン(簡単に言うと体を元気づけるホルモン)を分泌しています。ここが腫れてくる病気があります。主な病気を説明します。

  1. 甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病)
     体を元気づけるホルモンが出過ぎている状態です。主な症状として動悸(心臓がドキドキしすぎる)、甲状腺腫(甲状腺がはれている)、眼球突出の3徴候の他に、食欲亢進を伴う体重減少、疲れやすい、イライラしやすい、汗をかきやすい、手がふるえる、下痢などです。治療は甲状腺ホルモンを抑える薬を飲む必要があります。
  2. 甲状腺機能低下症(主に慢性甲状腺炎、橋本病)
     体を元気づけるホルモンが足らない状態です。主な症状として甲状腺腫(甲状腺がはれている)、首の違和感、全身がむくんでくる、体重増加、疲れやすい、寒がり、便秘などです。治療は甲状腺ホルモン剤を内服します。
  3. 亜急性甲状腺炎
     甲状腺に炎症が起こって、ホルモンが出過ぎている状態になります。よって、上記の甲状腺機能亢進症の症状がでます。それにプラスして炎症が起きているので、首の痛みや発熱を伴います。治療はステロイドを内服します。
  4. 甲状腺腫瘍
     甲状腺部が腫れているのを自分で気付いたり、検診で甲状腺腫瘍を指摘されたりして知ることが多いです。腫瘍は良性と悪性があります。検査は超音波検査や甲状腺腫瘍を細い針でさして、細胞を少しとって調べる検査などがあります。検査の結果、良性の場合は経過観察でもいいですが、大きくなり美容的に目立つなら手術でとることもあります。悪性の場合、放置して進行すると声がかすれたり、誤嚥(食べた時にむせる)などの症状が出現することがあるので、やはり手術でとることをお勧めします。

ページトップへ ∧