日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会・香川県耳鼻咽喉科医会:香川みみ・はな・のど便利帳

小児の閉塞性睡眠時無呼吸

(はじめに)

小児の閉塞性睡眠呼吸(OSA:Obstructive Sleep Apnea, Pediatric)は現在は成人とは独立した疾患として扱われ、小児OSAの診断基準はいびきや閉塞性の呼吸障害などの症状を有し、かつ無呼吸低呼吸指数(AHI:apnea hypopnea index)が1以上と明記されています。小児呼吸診断ルールでは、呼吸イベントは2呼吸以上の持続時間の換気停止を無呼吸、低呼吸は2呼吸異常の持続時間で振幅が50%以上低下し、覚醒反応または3%以上の動脈血酸素飽和度の低下を伴う場合とされています。

(原因)

小児OSAの主要原因は鼻疾患、アデノイドによる鼻呼吸障害(鼻閉)、口蓋扁桃肥大です。鼻呼吸障害があると、日中は意識的に口呼吸である程度代償するが、睡眠中には意識的に代償されず、狭窄した鼻で無意識に呼吸しようとするために呼吸障害が起こります。鼻閉がいびきや無呼吸の原因、増悪因子となるのは鼻腔の通気抵抗が高まることで吸気時の気道陰圧が上昇し、軟弱な咽頭腔が狭窄すると考えられています。成人では鼻呼吸が制限されてもある程度口呼吸が可能ですが、小児では解剖学的にみて軟口蓋と喉頭蓋が近接しているため口を通じての呼吸道が狭くなります。

(症状)

小児OSAの代表的な症状としては、いびき、睡眠中の呼吸困難、うめき、荒い鼻息、あえぎなどがあります。気道確保のために頻繁に体位変換し、横向き寝やくびが反り返るような睡眠姿勢をとることがあります。寝汗が多いとの報告もあります。また認知および行動上の問題となる場合があり、発育の遅れ、学業成績不振、注意欠陥多動性障害(attention-deficit hyperactivity disorder: ADHD)様症状、攻撃行動、夜尿(二次性夜尿症)などを認めることがあります。

(治療)

口蓋扁桃(いわゆるへんとうせん)、咽頭扁桃が病的に大きい場合は口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術が第一選択となります。小児の場合は成人とは異なり手術で症状が改善する場合が多いからです。鼻炎などの鼻呼吸障害の場合は鼻の治療(保存的治療、手術療法)を行います。

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