習慣性扁桃炎について
習慣性扁桃炎とは発熱(38度以上)、のどの痛み(ごはんが食べられなくなります)をきたす扁桃炎の繰り返しです。その原因として急性上気道炎(いわゆる風邪)、疲労などが挙げられます。
年に3~4回以上の扁桃炎を認めたものを習慣性扁桃炎と診断します。1回扁桃炎を起こすと数日間は発熱、咽頭痛が続くために会社を休んだり、学校を欠席することになります。それを年に3~4回繰り返すと、1年間に10日以上も社会生活に支障を来すことになります。さらに悪化すると扁桃周囲膿瘍といって、扁桃の周りに膿がたまり腫れあがることがあります(水も飲めなくなります)。そこまで行くと入院治療が必要になってきます。このように習慣性扁桃炎を認めた場合は、手術をお勧めします。
手術(口蓋扁桃摘出術)は入院が必要になります。昔は局所麻酔で手術をしている病院もありましたが、最近ではほとんどの病院で全身麻酔下に行われます。手術後は施設にもよりますが、おおむね1週程度の入院が必要になります。
手術の主な問題点は術後の痛みと出血です。痛みは特に成人に顕著です。痛みのためにごはんの摂取も低下し、入院中に体重が減少することもあります。また、出血には手術当日の早期出血と1週間前後くらいに起こす後期出血があります。退院後に出血で再入院になることもありますので、退院後も1週間程度は過度な運動は控えた方がいいです。幸いなことに出血の頻度は高くなく1~2%程度ですので安心して下さい。手術後の傷が治るのに3~4週程度かかりますが、その後は扁桃炎に悩まされずに快適な生活を送ることができます。