日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会・香川県耳鼻咽喉科医会:香川みみ・はな・のど便利帳

のどのがんの発がんリスクは?

のどのがんは、全がんのうち世界では6番目、日本では7番目に多いがんという統計があります。さて、のどのがんになる原因は何が多いのでしょうか?上咽頭がんはEBウイルスが、中咽頭がん・口腔がんにはヒトパピローマウイルスが関与することも知られていますが、一番の危険因子は『飲酒』『喫煙』です。飲酒、喫煙はのどのがん全体の80%にも関与しているといわれています。その発症リスクは、喫煙だけだと5~25倍、飲酒だけだと5.5~33.8倍にもなります。なんと飲酒&喫煙をしている患者さんだと200倍以上になります。

喫煙の危険性は以前より肺がんなどで知られていますが、のどのがんでは危険とは思っていない患者さんも多いです。ブリンクマン指数(BI)というものがあります。1日に吸っているたばこの本数×年数で計算するもので、肺がんはBI≧400で発症リスクが上がります。ではのどのがんではどうでしょうか?のどのがんもBI≧600で発症リスクが上がります。また、2016年8月には国立がん研究センターが、受動喫煙の危険性を改めて科学的に説明し啓発しています(http://www.ncc.go.jp/jp/information/20160928.html)。つまり、たばこは本人だけではなく、周りの人の、大事な家族の発がんリスクも高くします。

飲酒がのどのがんの発がんリスクと思っている患者さんも少ないです。胃がんや大腸がんの原因となるのはわかるけど、と言われる患者さんが多いですが、「のど」は胃や腸に向かう入り口です。そのリスクが高くなるのは当然のものです。それとは別に日本人では飲酒ががんの原因になる理由があります。飲酒、つまりアルコールの分解産物の『アセトアルデヒド』があげられます。実は日本人はこの『アセトアルデヒド』を無毒化する『アセトアルデヒド脱水素酵素』が弱い人が多く、全体としては発がん物質である『アセトアルデヒド』が蓄積し、発がんに至ります。

がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会を目指すためにも禁煙、節酒を行うことが重要です。

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