日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会・香川県耳鼻咽喉科医会:香川みみ・はな・のど便利帳

嚥下障害

  • 食事中にむせたり、せき込む
  • 食事の時間がかかるようになった
  • 痰の量が増えた
  • 体重が減ってきた
  • 食後がらがら声になる

これらの症状があれば、食べ物や水等がうまく飲み込めない状態「嚥下障害」が疑われます。
食べ物は口の中でかみ砕きすりつぶし食べやすい形にまで咀嚼され、舌などの動きで口の奥に送り込まれ、のど(咽頭)に入ってきた食べ物を食道に送り込みます。のど(咽頭)は空気と食べ物両方の通り道となっており、空気と食べ物の交通整理をわずか0.5〜0.8秒の間におこないます。いずれかの過程で問題があると、飲食物や唾液が誤って気管に入る「誤嚥」のリスクが高まります。近年、肺炎は日本人の死因の第3位を占めるほど増加していますが、特に70歳以上の肺炎の7〜8割は誤嚥による肺炎「誤嚥性肺炎」と言われており注意が必要です。誤嚥の原因は年齢による飲み込む力の低下以外に、脳卒中などの脳血管障害、神経筋疾患、認知症、薬の副作用などが原因で起こります。同じ病気であっても障害の程度は異なり、食べられないと言われていても食事の形態や姿勢、また訓練等で口から食べられる事もあります。逆に、むせていないから大丈夫と思われていても、のどの機能が低下し「むせない誤嚥」をしている大変危険なケースもあります。
食べる喜びを失わないために、より安全に食べるために、嚥下障害が疑われた場合は耳鼻咽喉科を受診してください。

 

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